埼玉県の医師獲得努力について


gf1060109195w全国的に医師不足の現代ですが、とりわけ埼玉は緊急性が高い医師不足に陥っています。

ご存知の方も多いと思いますが、埼玉県は人口10万人当たりの医師数(2012年)が148.2人で、全国47都道府県の中で最下位です。また、全国平均と同レベルになるためには約5000人以上の医師増員が必要な現状です。

これまでにも埼玉県では、状況改善のために研修医や医学生に対しての金銭的な援助などを試みてはいるものの大きな改善には至ってないというのが現状になります。もちろん、そのこと自体は政策として間違ったものではありません。埼玉県内で新しい医師を生み出すことは必要不可欠なのです。しかしながら、埼玉県内における医学部保有大学は埼玉医科大学のみとなります。

しかし、実際には埼玉医科大学医局からは群馬県県南にも医師が多く派遣されているという現状もあり、埼玉だけではなかなか医師数が増やすことはできていません。それでも、埼玉県内の医師増員数は平成12年度から22年度までで2118人の医師が増加しています。全国平均では792.1人になりますのでこれを大きく上回る結果を出しているのは確かなのです。この増加率だけ見る限り、なぜそんなにも医師不足なのかが分からないはずです。しかし、それを上回るスピードで人口・患者数が増加しているのです。

gf1060351796x埼玉が積極的に行っている医師の支援は、「女性医師のための産休・育休からの復帰支援」「開業医による拠点病院の支援」「医療機関所属であってもキャリアアップできるプログラムの作成」などです。医師を手厚く支援することで埼玉県は医師の獲得に励んでいます。

例えば、ドクタービジョンという医師専門の転職サイトがありますが、こちらを見る限りでもまだまだ埼玉県の転職希望医師の求人数がいかに多いかがわかるはずです。それだけまだまだ医師の数は必要で、医師不足の解消には時間がかかるといえます。

前述の医局の派遣問題などもありながら、埼玉県としては努力し、一定の結果を出しています。しかしながらそれを上回る人口増加のために現時点でどうしようもないというのも事実なのです。それでも、こういった何かしらの施策を講じ、医師を増やすという姿勢は他県なども見習うべきでしょう。

例えば、群馬県なども医師の環境改善に取り組んではいるものの、医局からの派遣で県南はまかなえている状況もあるのか求人数は少なめです(参考:ドクタービジョン「群馬県の医師求人」)。もちろん、日本だけにある医局という特殊な制度により自治体の医師数のバランスが崩れているのは問題ですが、群馬県南エリアでも医局以外の求人数が増えるようになれば、群馬へ転職希望する医師に医局以外の雇用枠を確保できるはずです。その県ごとにその県内で医師を生み、確保するという平等な体制こそが今必要なことなのではないでしょうか。

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