時の鐘


埼玉県内で時の鐘といえば、小京都とも呼ばれる川越が有名です。
蔵造の家々が立ち並び、そのシンボルとして立っているのが、地元では鐘撞堂とも呼ばれる時の鐘です。
川越の時の鐘は、寛永年間に(1624年から1634年)に当時の川越城主酒井忠勝が、現在の川越市幸町辺りに建てたものが最初といわれています。
現在の時の鐘の鐘楼は、4代目にあたり、明治27年(1894年)に建立されました。
建物は、3層構造で、高さ約16メートルあり、この周辺では、行政により、高い建物を建てさせないようにしているため、その景観が保たれています。
かつては、鐘撞き守の手で、手動で鐘が鳴らされていましたが、 現在では、自動式に変わり、朝6時、正午、午後3時、夕方6時の計4回、小京都の町並みに 時を告げます。
また、平成8年には、環境庁による「残したい日本の音風景100選」にも選ばれています。
実は、埼玉県内には川越以外にも時の鐘があります。
川越と同じく、太田道灌公により、城が築かれた岩槻城址公園内にそれはあります。
周囲が小京都の川越と比べると、訪れる人は皆無ですが、三河勢が関東にやってくる前の戦国時代までは、岩槻は関八州の中でも大きな城下町でした。
実は、現存する岩槻の鐘の鐘楼は幕末の1853年に改築されたものの、創建は1720年頃というとても古いものです。
焼失して、新築した川越と比べると、建屋の歴史が違います。
行政による規制がないため、周囲に民間の建造物が建て放題ですが、現在でもひっそりと、住宅街の一角に、建っています。

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